【レポート】第13回レバレッジ・リーディング読書会

こんにちは!

ここでは乱読の読書会の前身であるレバレッジ・リーディング読書会のレポートを記載しています。今回の記事では第13回目の読書会について紹介します!

読書会概要

  • 開催日:2020年4月18日(土)
  • 開催場所:ZOOMによるボイスチャット
  • 参加人数:5人
  • 読書会全体の詳細はこちら

参加者の読んだ本リスト

この回に参加した方々の読んだ本のリストはこちら。

紹介された本

知の編集工学 / 松岡正剛

こちらは私が紹介させていただいた一冊。内容としては、一般的には雑誌や本などの出版の業界で使われるイメージのある「編集」という概念を拡張し、その本質に迫るというものです。この本における「編集」とは、膨大な情報の中からいくつかを選択し、なんらかの関係をつけていく行為であるとのことです。

面白かったポイントは、計算工学や脳科学、熱力学、歴史、社会や哲学など多様な分野を「編集」という構造で統合してところです。この本自体が「編集」についての「編集」をしていると言えるのかもしれません(ややこしいw)。とにかく知的好奇心を大いにかき立てられる一冊でした。

デジタルで読む脳 x 紙の本で読む脳 / メアリアン・ウルフ

こちらは、前回「未来をつくる図書館」を紹介していただいた方の紹介本です。人間が文字を読むとき、紙の本とデジタルデバイスでどのような違いがあるのかを心理学的に考察した本であるとのこと。色々な要素はあるようですが、全体的に見ると紙の本の方が深い理解には向いているようです。

私は電子書籍と紙の本の両方を読んでいるので、非常に気になる一冊です。斜め読みに向いているデジタルデバイスと、深い読みに向いている紙の本をどのように使い分けていくのは、これからますます重要になってくるのかもしれません。上手に使い分けていきたいですね!

AI vs. 教科書が読めない子どもたち / 新井紀子

こちらは今回初参加の方の紹介本です。何年か前に話題になった本なので、ご存じの方も多いかもしれません。書かれているのは、AIが読解力を苦手としていること、そして、一般的に想像されている以上に中高生は読解力が不足しており、そう言った子どもたちがAIに仕事を奪われるのではないか、という懸念です。

私も一度読みましたが、冷静な視点からAIを考察し、それを教育論として昇華している良書だと思いました。特に先進技術に関する言説は、実態を伴わず過剰に装飾した「バズワード」的な扱いをされている傾向が多い中、専門家の視点から書いている本は説得力があります。なかなか難しい問題ですね。

翻訳地獄へようこそ / 宮脇孝雄

こちらは前回「怒りの葡萄」を紹介してくださった方の3月ベスト本です。筆者は翻訳の業界で一線を張っている方らしく、翻訳に対する心構えや翻訳や難しさについて語っている一冊だそうです。海外との文化的背景の違いや、言葉のニュアンスの違いからくる難しさなど、翻訳家ならでは視点が面白そうですね。

紹介された方は、最近話題になっている「Social Distance」を例に出しながら説明をしてくれました。「Social」のように、わかっているつもりの言葉こそ誤解をしやすいのではないかという指摘があり、妙に納得してしまいました。最近は外来語が多く使われているからこそ、考える必要があるのかも知れません。

日本のフェミニズム / 北原みのり

こちらは今回が初参加の方に紹介いただいた一冊。その方は「フェミニズム」についてあまり知らなかったので、3月にはその分野について色々と本を読んでみたとのこと。日本のフェミニズム運動の歴史について、知るきっかけになってよかったというコメントがありました。

正直言って私自身も完全の守備範囲外のテーマだったので、未知の分野について関心を持つ良い機会になりました。日本のフェミニズム運動が、一時期、各方面から批判されて下火になったことや、海外の動きとの関係など、興味をひかれる話を聞けたので、自分でも積極的に調べてみようという気になりました。

詳細レポート

もう少し詳細なレポートは主催の個人ブログをご参照下さい。