ここでは乱読の読書会のレポートを記載しています。今回の記事では第54回目の読書会について紹介します!
読書会概要
- 開催日:2021年4月9日(土)
- 開催場所:ZOOMによるボイスチャット
- 参加人数:5人
- 読書会全体の詳細はこちら
参加者の読んだ本リスト
この回に参加した方々の読んだ本のリストはこちら。
紹介された本
砂糖の世界史 / 川北 稔
こちらはわたくしKJが紹介させていただいた本です。Kindle Unlimitedでよんだ岩波ジュニア新書の一冊。これは余談ですが、参加者の方のひとりも同じように4月にこの本を読んでいたようです。内容としては、砂糖という商品を通して世界史(特に近代史)を読みといていくというもの。
砂糖の世界史を考えるうえで外せないのが列強帝国時代の植民地政策とそこで行われていたプランテーション、そして労働力確保としての奴隷貿易。イギリスのお茶文化についても触れられており、優雅なイメージのアフタヌーンティーにもそんな闇があると考えると、少し見方が変わってきますね。
ひとり白虎 会津から長州へ / 植松 三十里
この本は以前「歪顔(ビザール・フェイス)」を紹介頂いた方のベスト本です。こちらの本はタイトルからもなんとなくわかると思いますが、白虎隊の生き残りである飯沼貞吉にフォーカスを当てた時代小説のようです。舞台としては戊辰戦争後の長州ということのようですね。
仲間たちが自決した白虎隊にあって、唯一生き残った飯沼貞吉。拠点である会津からかつての敵陣である長州に引き取られるという波乱万丈の半生を描く小説のようです。よそ者として長州で暮らすことになった貞吉が周りとどのように関係を作っていくか、周囲の人とのやり取りが感動的だったそうです。
鳥になった少年―カルリ社会における音・神話・象徴 / スティ−ブン・フェルド
この本は以前「現代民話考」を紹介頂いた方のベスト本です。こちらの本はフィールドワーカーの筆者がニューギニアのカルリ民族を研究した過程が書かれている一冊とのこと。この民族は音に非常に大切にする文化のようで、それについて細かく書かれているとのことでした。
紹介者の方が言っていたのが、この民族の音についての感性の鋭さが非常に印象的だったということです。先にも書いた通り、音や声を非常に大切にする民族のようでそれについての伝承なんかも多いようです。Amazonを見てみたらプレミア価格になっていたので購入は難しいかもしれませんが、図書館などでは比較的見つかりやすい一冊なのかもしれません。
長い冬 / ローラ・インガルス・ワイルダー
この本は以前「プロ画家になる! 絵で生きていくための142条」を紹介頂いた方のベスト本です。私はあまり知らなかったのですが、この筆者が書いた「ローラ物語」という一連の児童小説シリーズがあり、そのうちの一冊だとのことです。
印象的だとおっしゃっていたのが、日本ではなかなか考えられない気候の描写です。確かに、数日間吹雪で全く外に出られないという経験は現代日本で暮らしているなかではなかなか体験できないですよね。児童小説ながらも、厳しい現実を描いているのが特徴的だったそうで、そのあたりのバランスの良さは興味深いですね。
戦争は女の顔をしていない / 小梅 けいと、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
この本は以前「失はれる物語 (角川文庫)」を紹介頂いた方のベスト本です。かなり久しぶりに参加いただいた方で、間が空いてもこうして参加いただけるというのはうれしい限りですね。上で出している画像は漫画版のものですが、それに限らず原典を含めてご紹介いただきました。
原典はノーベル文学賞を受賞したノンフィクション作品で、女性の視点から見た独ソ戦をまとめたもの。以前に原典読んだときはあまりピンとこなかったそうですが、漫画版を読むことでビジュアルをイメージしやすくなったとんことでした。読んでいてつらくなるということでしたが、そのぶん得られるものがあるのかもしれません。
詳細レポート
もう少し詳細なレポートは主催の個人ブログをご参照下さい。