【レポート】第12回レバレッジ・リーディング読書会

こんにちは!

ここでは乱読の読書会の前身であるレバレッジ・リーディング読書会のレポートを記載しています。今回の記事では第12回目の読書会について紹介します!

読書会概要

  • 開催日:2020年3月14日(土)
  • 開催場所:ZOOMによるボイスチャット
  • 参加人数:5人
  • 読書会全体の詳細はこちら

参加者の読んだ本リスト

この回に参加した方々の読んだ本のリストはこちら。

紹介された本

かわいい論 / 四方田 犬彦

こちらは私が紹介させていただいた本です。筆者は映画・文化を専門としている四方田犬彦さんという方で、内容としては、様々な側面から「かわいい」という概念について考察していくというもの。もはや「かわいいを哲学する」と言っていいと思います(笑)

日本人にとっては、身近にありすぎるが故に特に注意を払われない言葉だと思います。しかし、「かわいい」を適切に翻訳する言葉は他国にはあまり無いらしく、だからこそ「Kawaii」という言葉が世界共通語になりつつある。自分にとっての「当たり前」を深く追求していくという過程が面白く、おすすめの一冊です。

怒りのぶどう / ジョン・スタインベック

こちらは、今回初参加の方の紹介本です。ノーベル文学賞も受賞したジョン・スタインベックの長編小説であり、アメリカ文学の代表的作品の一つです。少し前までは、読書会のスタンスを「ビジネス書・実用書」という括りでやっていましたが、今はそれを拡張して捉えているので、小説の紹介も全然OKとしています。

舞台は1930年代のアメリカ。地方の零細農家が、大企業による買収によってその農地をうばわれ、労働を求めてカリフォルニアに向かうという物語。単なる大企業を悪者にした対立の話ではなく、その奥にある苦しみの連鎖を描いた作品だそうで、労働や資本主義について考えさせられそうな作品だと思いました。日本でも労働やワーキングプアの問題が社会問題になっているので、ある意味タイムリーな本だったとのコメントも。私自身も以前にこの著者の「ハツカネズミと人間」という小説を読んで衝撃を受けたので、こちらの作品もそのうち読んでみたいところです。

習慣の力 / チャールズ・デュヒッグ

こちらも初参加の方の紹介本です。筋トレや勉強などの良い習慣。飲酒や喫煙などの悪い習慣。一口に習慣と言ってもいろいろありますが、その「習慣」という概念を科学的に解説しているのがこちらの本になります。自己啓発書でありがちな「個人の体験のみに基づく」ノウハウではなく、科学的研究に基づく知恵なので説得力はかなり高いです。

人間の行動のかなりの部分は「習慣」でできており、人生の満足度を上げる為には、いかに「習慣」をうまく利用するかが大事になってくるようです。習慣のメカニズムとはどういうものなのか、そして、いい習慣を身につけ、悪い習慣をやめるためにはどうしたらいいか、を考えるヒントになる書籍だと思います。実際に紹介者の方自身も、この本に書かれたことを利用して、甘いものを食べてしまう習慣を抑えられていると仰っていました。

まほり / 高田 大介

こちらも初参加の方の紹介本。内容としては、民俗学をテーマにしたミステリーです。紹介者の方は理系の方で、人文学系の研究がどのような形で行われるかを知ることができた、という側面での面白さもあったと仰っていました。もちろん、ミステリーとしても面白く、お勧めできる一冊だとのことです。

その時に話していたのが、この物語の中で描かれているという「間引き」についての研究についてです。こういった後ろ暗い事実はなかなか記録としても残っておらず、残っていても控え目に書かれていたりしているので、なかなかその実態を掴むのは難しい。そういった、記録自体だけでなく、記録を残した主体についての考察も必要だというのが新鮮だったとのことです。私も民俗学には興味があるので、こちらも本屋で探してみたいと思います。

未来をつくる図書館 – ニューヨークからの報告 / 菅谷 明子

こちらは、前回カール・ニューポートの「デジタル・ミニマリスト」を紹介してくれた方の紹介本です。内容としては、ニューヨークにある、とある図書館についての解説。一般的に図書館というと「本を借りるところ」「資料を探しにいくところ」という印象が強いと思いますが、この本で紹介されている図書館は一風変わった特徴を持っているようです。

なんでも、この図書館では、来た人の事業(ビジネス)相談に乗ったり、マーケティングなどの各種セミナーが開かれていたりと、利用者のビジネスの推進の役割をも担っているとのことです。また、それだけでなく、芸術や子どもの教育に特化した施設も持っているらしく、ある意味「図書館」という施設を再定義しているようなところなのかも知れません。運営も公的機関ではなく、NPOによってなされているというところもポイント。

詳細レポート

もう少し詳細なレポートは主催の個人ブログをご参照下さい。