【レポート】第33回乱読の読書会

こんにちは!

ここでは乱読の読書会のレポートを記載しています。今回の記事では第33回目の読書会について紹介します!

読書会概要

  • 開催日:2021年4月24日(土)
  • 開催場所:ZOOMによるボイスチャット
  • 参加人数:5人
  • 読書会全体の詳細はこちら

参加者の読んだ本リスト

この回に参加した方々の読んだ本のリストはこちら。

紹介された本

デジタル資本主義 / 森健、日戸浩之

こちらはわたくしKJが紹介させていただいた一冊です。国内の有名コンサルティング会社・野村総研によるテクノロジーや資本主義の現在位置とこれからの行く末を論じていくような一冊。GDPは増えていないのに生活者の豊かさの認識は向上しているという事実を、「消費者余剰」という概念を用いて読み解いていきます。

デジタルテクノロジーが我々に何をもたらしているのか、その技術に支えられた資本主義はどこにむかうのか、そんなことを考えさせられる一冊です。シェアリングエコノミーやAIによる個別最適化など、個別で論じられることは多けれど、それら総合的な視野で見通しているという意味で、なかなか刺激的な本です。

潜匠 遺体引き上げダイバーの見た光景 / 矢田 海里

こちらは以前「遊牧民から見た世界史」を紹介いただいた方のベスト本。内容としては、遺体を引き上げることを仕事にしているダイバーの仕事を描くノンフィクションだとのこと。海に飛び込み自殺をする人の遺体や、津波の被害者の方々の引き上げることの過酷さが伝わってくるそうです。

紹介者の方が、普段はなかなかスポットが当たらないけれど、誰かはやらなくてはならない仕事という言い方をしていたのが非常に印象的でした。身体的にも精神的にも想像を絶するストレスのかかる仕事。そんな世の中の一面を垣間見ることが出来るという意味で、非常に気になる本です。

スマホ脳 / アンデシュ・ハンセン

この本は以前「自分のペースでゆったり学ぶ Excel VBA」を紹介していただいた方のベスト本です。本屋などでもよく平積みされているところを見かけるので、読んだことのある方も多いかもしれません。内容としては、なぜ人々はスマホにそこまで引き込まれてしまうのか、という問いについて解説しているというもの。

どうやら、スマホというものは人間の原始的欲望を喚起するように設計されているようです。広告をみせることや、サービスより長く使わせるための可処分時間の奪い合いのために最適化されたデバイス。スマホに使われるのではなく、うまく使いこなせる立場でありたいものです。

ジェンダー秩序 / 江原由美子

この本は以前「デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 」を紹介していただいた方のベスト本です。これまではあまりフェミニズムやジェンダー関係について詳細に調べたことがなかったとのことで、新たなジャンル開拓ということで手に取った一冊だったようです。

意識的に男女差別をしている人はあまり多くはないと思いますが、お話を聞いている限りだと無意識だからこその問題は根深いのではないか、そんな気持ちにさせられました。簡単な問題ではないですが、この課題への感度を高くして、しっかりと理解を深めていくことが重要なのかもしれません。

震災ウラ噺 / 微笑亭さん太

この本は今回初参加の方に紹介していただいたベスト本です。内容としては、関西の阪神・淡路大震災の際に、人々の間でなされていたちょっとした笑い話を集めた本のようです。今まであまり紹介されていないタイプの本なので、なかなか気になりますね!

ともすれば「不謹慎」と言われてしまい、雑誌や新聞ではとりあげられるような内容ではないものの、くすっとさせられるような話もおおいらしく、楽しめそうな一冊だと思いました。なかなか苦しい被災地の中で、こうした笑い話が人々をなぐさめ、生きる希望を与えてくれたり、ささやかでも不安から開放される瞬間を提供できるのかもしれません。

詳細レポート

もう少し詳細なレポートは主催の個人ブログをご参照下さい。