【レポート】第27回レバレッジ・リーディング読書会

こんにちは!

ここでは乱読の読書会の前身であるレバレッジ・リーディング読書会のレポートを記載しています。今回の記事では第27回目の読書会について紹介します!

読書会概要

  • 開催日:2021年1月23日(土)
  • 開催場所:ZOOMによるボイスチャット
  • 参加人数:5人
  • 読書会全体の詳細はこちら

参加者の読んだ本リスト

この回に参加した方々の読んだ本のリストはこちら。

紹介された本

なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか / 渡瀬裕哉

こちらはわたくしKJが紹介させていただいた一冊。12月のベスト本ではありますが、自分の興味に非常に深く刺さっていたこともあり、2020年全体で見ても随一の面白さでした。アメリカ政治を研究している渡瀬さんという方が、先進諸国で加速する分断や中国の動向、そして仮想通貨がもたらす影響を解説しています。

「分断」を民主主義の機能不全と見るのではなく、民主主義の必然的な帰結であるとしていることや、仮想通貨と結びつけて政治とこれからの動向を語るあたりがこの本の最大の面白さだと思いました! 現代人類の課題と問題点を極めてわかりやすく、かつ構造的にまとめた一冊だと思います。おすすめです。

くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話 / ヤマザキOKコンピュータ

こちらは以前「ウォール街のランダムウォーカー」を紹介いただいた方のベスト本。内容としては、モノやサービスを購入する際に、無意識に選ぶのではなく、自分の応援したいところを選ぶことで未来を面白いものにしていこうというもののようです。ここで言う投資は「社会への投資」という意味合いで使っているようです。

無意識に消費行動をしていると、どうしても広告力の強い巨大企業やグローバル企業を選んでしまいがちです。しかし、どこでも同じような風景が広がっているような「つまらない」未来ではなく、多様性のある未来を創るためにも、主体的に選んでいくことが重要なのかも知れません。

開拓者たち / クーパー

この本は以前「モヒカン族の最後」を紹介していただいた方のベスト本です。その「モヒカン族の最後」と同じ作者の同一シリーズの続編だとのこと。フレンチ・インディアン戦争を描いた前作の40年後のアメリカが舞台で、アメリカの開拓が進んでいくような時期の物語のようです。

アメリカ都市部からは離れた原住民の老猟師と、ヨーロッパから渡ってきた人々で進められる開拓。そのあたりの折り合いの難しさや、さまざまな国・立場の人が集まったアメリカ黎明期という時代が描かれていて新しく知ることも多かったとおっしゃっていました。

献灯使 / 多和田葉子

この本は以前「姑の遺品整理は迷惑です」を紹介頂いた方の12月ベスト本。私個人としても気になっていた一冊だったので、今回話を聞けて良い機会となりました。多和田葉子さんの短編集で、表題の「献灯使」は高齢者が元気で子どもが衰弱しているという近未来を描いた物語だとのことでした。

紹介者の方が印象的だとおっしゃっていたのは、筆者の独特の言語感覚についてです。ドイツに長く住んでおられる方のようで、その影響もあってか、他の日本人作家とはちょっと違った言葉遣いが多々見られるようです。内容としても新たな価値観・人間観を見せられたのことで、非常に気になる一冊です。

子どもは40000回質問する / イアン・レズリー

この本は今回初参加の方の紹介本です。タイトルの通り、「好奇心」をキーワードにした一冊だとのこと。「好奇心」は生来的にあたえられた個性のようなものではなく、あくまでも状態であるというのがポイントのようです。生き方によって好奇心を活かすことも殺すこともできるようです。

人間にとって好奇心が湧きやすい状況というのは、それについてちょっとだけ知っている状況だとのこと。ちょっと知っているがゆえに、そこから広げられるようなイメージですかね。自分の知っている領域を中心としつつ、そこから好奇心で少しづつ知識や考え方を広げていくような形が良いのかも知れません。

詳細レポート

もう少し詳細なレポートは主催の個人ブログをご参照下さい。